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「ほんとに口は可愛いね…もう俺がなんでも叶えてあげるよ」
「なら、盗聴器とか外していい?」
「それは駄目。口が何か危ない目に遭ったら俺が死ぬ」
「何それ」
大真面目に言うもんだから、クスクスと笑う。
いや、笑い事ではないが。
「その代わりといっては何だけど、母さん達がいないから晩御飯は好きなもの作ってあげるからね。何がいい?」
代わりにしてはまあまあ小さい気がするが、好物を作ってくれるらしいから、ここは甘えておく。
「じゃあ、シチューがいいな」
「わかった。じゃあ、作っておくから、着替えたら下おいで」
「うん」
そう言って部屋から去る兄の後ろ姿を見送ると、スマホを出して、蝮に渡された連絡先を画面に打つ。
その紙には、LINEのIDではなく、電話番号とメールアドレスが書いてあった。
今時珍しい。LINEやってないのかな。
いきなり電話するのもどうかと思い、メールを送ってみる。
こんばんは。
口です。
結構簡潔だと思ったが、絵文字を使うのも変な感じがするし、顔文字も違和感がある。
「これでいいかな…」
少し考えたが、これ以外見つからない。
もう何も変えずに送る。
蝮は返してくれるだろうか。
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