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「……」
カーテンの隙間からの太陽の光が眩しくて嫌でも目が覚める。
スマホをいじっていた筈なのに、いつの間にかベッドに潜って寝ていた。
夢なのはわかっているが、思わず左手を触る。
おかしな夢だった。
まあ、あり得なくもない気がするが。
のそりと起きてカーテンと窓を開ける。
空気は冷たいが、いい天気だった。
時計を見れば6時になる頃で、蝮が来る時間まであと1時間もの余裕がある。
リュックに今日の時間割の教科入れてる。
制服には着替えずに下に降りると、母が1人で弁当を詰めていた。
「おはよう。母さん」
「あら、おはよう、口。今日はいつにも増して早いのね」
「うん。昨日早めに寝たから」
「いい心がけね。じゃあ早起きついでに兄さん起こしてきて」
「父さんは?」
「今日は口より早く起きてもう会社行ったわよ」
ほら。と急かされ、また上に上がる。
俺の隣の部屋のドアをノックする。
「夕兄?起きてる?」
少し大きめの声で言うと、中からガタガタパチパチと変な音がする。
「…起きてるよ。今行くからちょっと待って」
いつもより眠そうな声が聞こえてくる。
夕兄の部屋には中学を上がって以来入っていない。絶対に入らないで。といつも言うからだ。
だから、さっきの変な音も何の音かわからない。
数分して、夕兄が出てきた。
「おはよう。今日も可愛いね」
「おはよう、夕兄」
「昨日、ベッドに入らないで寝てたでしょ」
「布団かけてくれたのって夕兄?」
「そうだよ。もう入らないで寝たら駄目だよ。風邪引いたら大変だからね」
階段を下りていると、兄が俺のパジャマの上からカーデガンをそっと掛けてきた。
「ありがとう」
「寒くない?大丈夫?」
「ううん、平気だよ」
「今日俺大学3時までなんだけどさ、帰り車で迎えに行こうか?」
ありがとう。と言おうとしたが、蝮と帰りたいので、断る。
すると、兄が眉をひそめた。
「なんで?誰かと遊ぶの?」
「あー…いや、遊ぶっていうか…」
蝮と帰る。
そう言いかけた所で玄関のチャイムが鳴った。
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