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「?こんな早くに誰だろう…」
兄が出ようとするのを見て、俺が出ると言った。
もしかしたら蝮かもしれないから。
ガチャとドアを引くと、そこには
「あれ?」
誰もいなかった。
「口?どうかした?」
「うーん誰も…あ、ごめんちょっと出る」
「…すぐ戻っておいでよ?」
「はーい」
玄関には確かに誰もいなかったが、家の塀の外に大きい身長の見たことのある後ろ姿が寄りかかっていた。
「蝮?」
「ん?あ、おはよう。口君」
俺の声に気づいてこっちを向く蝮に近寄る。
「まだ6時半だよ?」
「うん。そうなんだけど、口君に会いたくなってさ」
そう言って笑う鼻先は赤みを帯びて、手袋もしない剥き出しの手も指先が赤くなっていた。
思わず蝮の両手を掴む。
「うわ、冷たい…どれくらい外にいたの?」
「ん?30分ちょっとぐらいだよ」
「そんなにいたの?駄目だよ。風邪引いちゃうよ」
「平気。僕、風邪引かないから」
「それでも寒いものは寒いよ」
掴んだ両手を俺の頬に当てたり、俺の息を当ててみたりしてどうにか体温が上がらないかとやってみた。
「…口君、息…は、大丈夫…もう大丈夫…」
「そう?」
俺が手を離すと、顔が赤くなっている蝮は少し困った様に笑った。
「ほんと…なんて可愛い事するの?」
「えっ」
何がと言おうと蝮の顔を見上げれば、それを見計らったかのように唇に降りてきた。
「ん」
「……っ!」
外で、しかも朝にこんな事するのかと、心の中で叫んでいると、数秒後には唇が離れた。
「あ、あの、ね…駄目…だから…外でこんな…えと、ちゅーは…」
キスと言うのが恥ずかったから、ちゅーと言ったが、これもまあまあ恥ずかしい。
「…あれ?蝮?」
おーいと手をひらひらと蝮の目の前で振るが、なんの返答もない。
と思っていたが、急に抱きついてきた。
「可愛いー!口君ちゅーとか言うの?可愛いすぎ!キスするのも恥ずかしいの?可愛いー!可愛いよ口君!」
「ちょ、しー。静かにして。まだ朝早いから静かにね?」
大きな声で言うもんだから、ほんとに恥ずかしい。こっちの方が恥ずかしい。
「あー…可愛いなあ…」
「…ちょっと離して」
「なんで?」
「着替えて来るから」
「えー?それも可愛いよ?星柄のパジャマ。しかもカーデガンなんて羽織って。可愛いにも程があるよー可愛い可愛いー!」
「…ほんとに恥ずかしいからそういうの口にしないで…」
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