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「というか、学校なんだから着替えなきゃ駄目だよ。ちょっと待っててね」
そう言い残して、バタバタと家に戻る。
俺の部屋に走って
制服を着てマフラー巻いて荷物持って
下で珈琲を飲んでる兄にカーデガンを返して
キッチンのカウンターにあるお弁当を引っ掴んで
食卓の上の編みカゴに入ってあるクロワッサンを一つ取って口に咥える。
「こら、口。お行儀悪いわよ」
「ごめんなさい。でも、外にまむ…友達待たせてるんだ」
「そうなの?でも、立って食べるのは行儀悪いから座りなさい」
兄にも座れと言われ、渋々兄の隣に座る。
「牛乳も飲みなよ。あ、オレンジもあるよ?食べる?」
「うーん…牛乳だけにしておく」
蝮はちゃんと待っててくれるかなと少し心配になり、母達に注意されない程度に食べるスピードを早める。
「…ご馳走さま。もう行くね」
洗面台に小走りで行って歯を磨いて、食べる為にリビングに放置していたリュックを背負う。
「忘れ物ない?ハンカチティッシュは?持った?」
「持ったよ。ちゃんとある」
「知らない人について行ったら駄目だからね?」
「…夕兄、俺もう高校生なんだけど…」
一体何歳だと思っているんだ。
苦笑いしながら靴を履く。
「いってきます」
「行ってらっしゃい。ちゃんと門限までに帰ってくるんだよ?」
「わかってるよ」
ドアを開けて塀を見ると、蝮の頭が見えて安心する。
よかった。待っててくれた。
「蝮、お待たせ」
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