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「あとちょっとでもいたら、本当に押し倒してたのに〜」
「…無理にでも引っ張ってきてよかった…」
細道でちょっと貞操の危機を感じて、人がいない図書室へ蝮を引っ張りながら走って来た。
「冗談言いすぎたから僕を置いて行くのかと思った」
「置いていかないよ。恋人置いてったら酷いだろ」
「何それ〜イケメン〜!」
「俺が逆に何それなんだけど」
静かな図書室で、場違いな煩さを発揮している蝮に、図書室なんだから本読めば?と勧める。
「僕、もう本読まないよ」
「もう?まだ何も読んでないじゃん」
「えっとね…口君と出会うまで、暇だったから、ずっと図書室の本読んでたんだよ。それで、全部読破したんだ〜」
「ここの本?」
「うん。ここの本」
「読破したの?」
「だからそう言ってるじゃーん」
口君てばおバカさん〜。なんて笑う蝮だか、ここの図書室は半端がない程本がたくさん置いてある。図書室というより図書館だ。
それを、読破したって…
「すごいね。沢山の本読んだんだ…俺読むの遅いからさ、こんなに読めないな」
「ほんと?…えへへ!口君に褒められた〜!!もっと本読もうかな〜!」
ぴょんぴょんと嬉しそうに跳ねるている蝮だったが、急にお腹が鳴ってピタッと止まった。
「どうしたの?お腹痛い?」
薬あるよ。とリュックから薬を出そうとしたら、蝮の腕が伸びてきて俺の手を掴んだ。
下に顔を向けているからどんな顔をしているかわからない。
「…蝮?」
そんなにお腹痛いのかと思い背中を摩ると、小さく何かを呟いた。
「ん?何か言った?」
「おなか…」
「うん」
「……お腹減った…」
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