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「土曜日さ、お昼くらいに学校前に居てくれたら迎えにいくね」
「わかった。なんか持ってくる物とかある?」
「んー…いや、特に無い……あ!」
「なに?」
弁当も食べ終えて、お茶を飲んで一息ついていると、蝮が急に声を上げる。
ほんと、よくわからない。
面白いけれど。
「土曜日、エプロン着けてよ!」
「は?」
「知ってる?料理するときに着けるんだけどさ」
「いや、知ってるよ」
エプロンを着ける様な仕草をする蝮を止める。
そんなのわからない人なんていないから大丈夫だよ。
「持って来てよ!料理する時いるでしょ?」
「え?俺エプロン持ってないよ」
「持ってないの?」
「うん。兄のならあるけど」
持って来ようか?と言うと、駄目駄目!と全面否定された。
「口君のじゃないと意味ないよ!」
「でも自分の持ってないし…」
というか、エプロンっていらないと思う。
夕兄とか蝮みたいな顔が整ってる人なら似合うと思うけど、俺にエプロンはなんだから母親の手伝いをする子供みたいに見えてしまう気がする。
というか、たまの料理でエプロン着けないし、要らない。
なんて、ハイテンション中の蝮には言えないが。
「ないの?」
「だからないってば」
すると、蝮は何故か嬉しそうな顔をした。
「じゃあ今日買いに行こうよ!エプロン!可愛いの僕が選ぶ!」
「え?今日?」
「うん!今日!」
「放課後の何時から?」
「今!から!!」
蝮がガタガタと煩く立ち上がる。
「えぇー…」
昼休みが終わるまであと10分なんだけどな…
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