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「…高橋」
「なに?」
歩くのをやめると、それに合わせて高橋がこっちを向く。
眉を潜めてるから、まるで今から喧嘩しようとしてるみたいだ。
「ごめん、繋いでる方の指輪当たってる」
「え、あ」
そう言うと、ぱっとその手を離してくれた。
手のひらを見れば、擦れて赤くなり、跡が出来ている。
「ごめん…そんな強く握ってた?」
赤くなった手のひらを指で撫でながら謝る高橋は、本当にすまなそうな顔をしていた。
「いや、大丈夫…でも、この手の事なんかより蝮を悪く言うのを聞く方が嫌だよ」
俺は痛みなんか微塵も感じないけど、言葉の暴力は流石に嫌だ。
「だって蝮は親を殺したって噂があるんだぞ?」
「それを高橋はちゃんと本人から聞いたの?ありもしない噂を信じてるんじゃないの?」
俺もちゃんと聞けてはいない…というか前も蝮に言ったけど、殺したとかは本当に何でもいい。
今の蝮が好きだから。
けど、もしかしたら殺していないかもしれないのに、友達がそんな噂に流されて欲しくない。
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