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改めて恋人繋ぎをする。
「蝮って手冷たいよね」
「そうかな。口君はあっかたいね」
繋いでいる手を頬まで持ってきて頬ずりする蝮がなんだか可愛く見える。
「冷え性なんじゃない?蛇みたいに冷たいもん」
「蝮だけに?」
「全然上手くないぞ」
ケラケラと笑う蝮に、下駄箱まで来てようやく何処に買いに行くか聞くと、近くのモールに行くと言われた。
「じゃあ家に連絡入れるね」
「うん。いいよ」
蝮から少し離れて母に電話すると、直ぐに繋がり、母の声が聞こえてくる。
「もしもし?母さん?」
『どうしたの?』
「ちょっと今から買い物に行ってくるから、少し遅くなる」
『そうなの?…あら、やだ…』
「?…何かあったの?」
少し焦った様な声が聞こえて、家に何かあったのか聞くと、母にごめんねと言われた。
『お兄ちゃん、口を迎えに行くって行ってさっき車でそっち向かっちゃったの』
どうしようと言う母に大丈夫だよと応える。
「……んー…分かった、夕兄には俺から言っとくよ」
『そう?ごめんね』
「謝んないでよ。ちゃんと帰ってくるから」
『分かったわ。事故とかに気をつけてね』
『うん。それじゃあ』
プツリと電話を切って蝮の所に戻る。
「終わったよ。行こう」
「うん、はい」
手を差し出され、素直に手を乗せるとまた恋人繋ぎをする。
「誰か来るの?」
「え?あー…なんか、兄が俺を迎えにこっちに来てるみたいでさ…」
「…なら僕、帰った方がいいかな?」
困り笑いを浮かべる蝮に顔を近づけて少し眉をひそめる。
「なんで帰るんだよ。エプロン買いに行くんでしょ?」
「…いいの?口君のお兄ちゃん来るんじゃないの?」
来ると言っても、今俺達はもう校門を出た先にいるし、多分兄が来ても俺はいない。
「いいよ。来たら俺がちゃんと連絡して言っておくからさ」
だからデートしようと、笑ながら言えば、蝮もニコニコと何時もの笑顔に戻る。
「そっか…じゃあ行こう…」
「駄目だよ。口、俺の言う事ちゃんと聞かなきゃさ」
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