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「さあ、着いたよ。」
結局僕は何の抵抗も出来ずに吉村さんの家に連れてこられてしまった。
そして、僕の目に入った光景はあの頃の記憶を呼び覚ました。
「ここって…?!」
「覚えてたんだ。そう、ここはゆき君が小学生の時、僕達2人で住んでいたマンションだよ。
僕が今の奥さん、社長と結婚した時にマンションごと買い取ったんだ。」
「買い取った?なんでわざわざそんなこと…」
「忘れないようにさ。あの頃のゆき君との事を。またここに来るなんて思いもしなかったけど。」
「忘れないようにって…。あの時あなたが僕を捨てたんじゃないですか。」
当時小学5年だった僕にとって一人で生きていくには地獄のような日々だった。
そんな思いをさせたのがいきなり僕を捨てた吉村だ。
「僕はもうここに用はありません。帰ります。」
そう言うなり、僕はその場から逃げるように去った。
「ちょっとゆき君!まぁ、いいか。またすぐに会うことになるだろうし。」
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