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獅子原 彰の悩み
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キスしたい。
そんな思いがまるで本能のように浮かんできた。
戸惑いと羞恥で大きく開かれた瞳は時折揺れても、俺を捕らえて離さない。
薄い唇のすき間から舌が少し見えるのが何とも艶っぽい。
自分の唇を少ししめらすように舌でなぞった。
「ちょ、ちょっと!!」
その声で我に返った。
パッと手を離すと、逆に手首をガシッと掴まれた。
驚いて結弦を見れば、怒ったような恥ずかしそうな複雑な表情で俯いていた。
その距離、約15センチと少し。
俯いているのに、結弦の顔がこんなに近い。
「そのっ…」
「…………」
「…………」
ゆっくりと、でもしっかりと目が合う。
触れられた手は思いのほか熱い。
それを確かに意識しながら、自然とお互いの距離が近づいていく。
そして近づけば近づくほど、結弦の緊張がこっちに伝わってくるのが分かる。
結弦にも俺の熱が伝わっているのだろうか。
そんなことを思いながらフワリと目を閉じた。
そして数秒後。
俺たちは静かに唇を重ねた。
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