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紅く(湊)
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―ピーポーピーポー
救急車に乗せてもらって、
夏希と一緒に病院へと向かう。
切れた手に当てられたガーゼは
何枚も紅く染まっては、捨てられて
夏希の顔はだんだんと血の気が無くなって
人形みたいで。
昨日まで、俺に笑ってくれてたんだ。
目を細めて「好き」って笑ってたんだ。
それなのに…
今、俺の前に横たわる夏希は動かない。
血も止まらない…
「夏希。」
寝てるだけだよね。
そうには見えないけど、そう信じてたい。
死んだり、なんか、しないよね。
夏希。
俺さ、もう別れたくないってちゃんと言うから
夏希がどんだけ「別れたい」って言っても
離したりなんかしないから。
もう、そんなことしないから…
お願い、目を覚まして。
お願い。夏希。
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