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眠り姫(湊)...2
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「…おきてください、ちょっと」
「…ん、さむ」
「当たり前ですよ!
もう遅いので、毛布もお貸ししますので
病院に泊まってください。」
「あの…!
ここ、夏希の部屋の中…
隅でいいので、ダメですか?」
頼み込むと、俺のことを起こした看護師は
「担当医に聞きますので」と答えて
どこかに行ってしまった。
数分後、帰ってきた彼女は
「今回は特例ですので」と俺に釘を刺してから
夏希の部屋へ招いた。
手に持たされた毛布がやけに温かい。
「親御さんには、
ちゃんと連絡しておくように」
「大丈夫です。
出てくるときに言ってきました。」
それだけ、確認すると「おやすみなさい」と
笑顔で去っていった。
俺は約束どおり、部屋の隅に丸まった。
夏希は、ベットの上に寝かされて
特になんの機器も取り付けられていなかった。
それだから、余計に朝になったら起きるだろ?
って、期待して…
朝、起きたら夏希が「おはよう」って
笑ってくれるのを待ってたんだ。
医者が何て言おうと、
夏希は、俺のために早く目覚める。
そう信じてた。
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