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1年(湊)
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「夏希、明日は終了式なんだ。
もう一年経つんだよ。早いね。」
―サラ…
髪、長くなってきたかな…?
今日もぐっすり眠ってる。
綺麗で、儚くて、どこか悲しいような
そんな寝顔。
「夏希、進級できるかなぁ…(笑)」
―むぅっ
夏希は眉間に皺をよせて、
ふくれたような表情をみせる。
「ごめん、嘘だよ。
きっと、進級できるね。」
―にこ
少し口角をあげて、嬉しそう。
最近は、表情が豊かになったようで。
稀に笑ったり膨れっ面したりする。
でも、一番多いのは泣くのと唸るの。
また辛い夢でも見ているんだろうか?
俺は、夏希と極力一緒にいられるように
宿題やらを持って病院に来て
面会時間ギリギリまで病院にいた。
本当は、ずっと夏希を撫でていたいけど
お母さんに
「やることをキチンとやらないのなら、
夏希に会わせませんっ!」
と怒られたもんだから
病院の夏希のそばで勉強をしていた。
けれど、今日は明日が終了式なこともあって
宿題は出ていなかった。
春休みの課題はあるものの、
今日と明日は免除。と自分の中で決めていた。
窓の外が暗くなり、帰る時間になると
「明日は、渚連れてくるからね。」
と耳元で伝えて
「おやすみ」
―チュっ
額にキスを落とした。
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