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想いの重さ(湊)
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「記憶以外は大丈夫そうですね……」
「はぃ…」
「お母さん、大丈夫ですか…??」
「えぇ…………」
ダメだ。お母さんはあれから放心状態。
俺も、悲しんじゃいけないんだろうけど
苦しい。
「あの、先生」
「はい。なんでしょうか」
「どうして、
湊くんの記憶だけ残ってるんでしょうか?」
それは俺も知りたい。どうして、俺だけ?
事件のことを忘れたいのなら
俺も忘れられているはずだ。
「…私個人の見解ですが、
湊くんと二人きりになりたかった
とかではないでしょうか??」
“俺があんなにも夏希の想いを無視したのに
そんなことを言われた後でも
夏希は俺に『会いたい』って思ってくれてた”
もしも そうなのだとしたら、
俺は一体どれだけ愛されているんだろうか。
夏希の中でどれたけ大切な存在なんだろうか。
……甘く見過ぎてたな。
自分の存在の大きさを。
夏希の中ではこんなもんだろって
軽く思ってた。
夏希の想いを軽くあしらってた。
最低だ。こんなの。
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