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記憶(渚)...3
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―シャアアアアアア
「ふぅ…」
ぬるい水が体中を流れていく。
夏希に忘れられた、俺とお母さんのショックは
誰にだってわかるだろうよ。
じゃあ、
忘れられていない、湊はどうなのだろうか?
俺達に気を使って、
辛そうな顔をしていたことはないんだろう。
本当に、辛いんじゃないだろうか。
血まみれの夏希を見た時、
漫画の中かと思うくらい顔が青かった。
そして、焦っていたんだ。
―ズキッ
「頭痛薬飲むか…」
『センパイっっ、やめて…!!!
痛っ…うぅっあ゛っっ』
また、聞こえる声。
なんだ??
もしかして、幻聴…?
―ズキンッッ
「あぐっ」
痛すぎて立ってらんねぇ。
『センパイっっ!!!
ねぇっっ!!!嘘だったの?!!!』
「あ、ぅ゛」
『遥紀センパイっっ』
「…………っ?!!!!」
やめろ、やめてくれ。
俺は、遥紀じゃない。
渚だっっ!!!
人を苦しめたいなんて…
傷つけたい、なんて…
思わない………
思わないんだって…
「ふふふっ…
裕翔くん、もっと…泣き叫んでよ」
『や゛ぁぁぁぁぁっっっ!!!』
響く声。
なのに、俺の口から出たのは
「ふふふふっ、ホントおもしろい」
心に沸き起こったその感情は、
紛れもない『歓喜』だった。
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