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蘇る…(夏希)
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「湊……今日」
「帰らなくちゃ。
泊まりたいけど、看護師さんに迷惑かけちゃうしね。」
「そ、だよね。」
どうしよう。湊が居なくなるのは怖い。
今、縋れる人が居なくなるのは不安だし
怖いし、辛いし、嫌だ。
「大丈夫??」
暗くなっていっているだろうオレの顔を除き込みながら
不安そうに聞いてくる。
「うん。大丈夫…!
いつもは一人だし!大丈夫、大丈夫」
出来るだけ笑顔を作って、湊に答えながら
自分にも言い聞かせる。
それなのに………
「本当に?」
湊は、オレの見え透いた嘘を無視してくれなかった。
「無理しちゃダメ。本当のこと言って。」
真剣な顔で、オレが湊から顔を逸らせないように
頬をがっちり掴まれて
目を真っ直ぐ見つめられるから、逸らせない。
「本当は…」
「うん。本当は、何?」
優しく笑いかけられる。
「本当は、怖い。から、いかないで」
その言葉を聞いて、幸せそうに笑う湊。
「わかった。看護師さんに頼んでくるね。」
全て、オレに尽くしてくれる。
……あぁ、幸せだな。
オレはこの人さえいれば、幸せで居られる。
そう思った。
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