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ケジメ(湊)
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「いや…いや…い、や…ぁ」
―カクンっ
夏希は、散々泣きわめいて、意識を失う。
キャパオーバーしたんだろうな。
「夏希……」
ずっと、ずっと後悔していたその言葉。その行動。
ここまで夏希を追い詰めている。
頭を撫でると、やわらかい髪が指に絡んでくる。
穏やかそうに見える寝顔だけど、
泣きすぎて目元が少し赤くなっていた。
――自覚しなきゃ。向き合わなきゃ。
俺が、夏希を苦しめている。
俺のせいで、夏希は苦しんでいる。
『自分の行動で、大事な大事な人が
狂ってしまうほどに苦しんでいる。』
その現実。
もちろん、その苦しみから救うことに関して
夏希に他の誰かの手を取らせる気はない。
夏希は、誰にも渡さない。
俺が、救うんだ。
そう決意した、明け方。
夏希の身体を両腕でしっかり抱きしめて、
少し明るくなりかかった外をみながら
短時間でも寝ようとまぶたを閉じた。
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