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遥紀(渚)
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「渚くーーーん!!!帰ろー!」
智紀センパイ?!!
迎えに来てくれなくてもいいのに…
なんなら、今日は一人で帰るつもりだった。
だって、あんなに………震えさせて、怖がらせて
もしかしたら、俺を見るのも怖いんじゃないだろうか。
俺には会いたくないんじゃないだろうか。
「渚くーーーん、ほら!!帰ろってば!」
「センパイ……、俺ちょっと先生に用事が…」
「じゃあ、行ってきてー。僕、待ってるから」
「でも、友達に会いに行こうかと…」
「僕より、その子に会いに行くのー?」
ほっぺたをふくらませて、ふくれている。
かわいい、かわいいんだけど…ね。
大丈夫なの?無理してない?
本当に、本当にごめん。ごめんなさい…
『ね、渚。なんでそんないじけてんの?
あんまりそんなことしてたら、僕がつっこむぞ。
それでもいいの?』
ゾクゾクっ
背筋が凍る。怖くはない、かっこ良くて。
「良くないですよ。
センパイこそ、いいんですか?」
普通の声のつもりだった。
けど、俺の耳に届いた俺の声は震えていた。
視界は滲んでいくのに、センパイの顔はハッキリ見える。
薄っすら笑って、頬を少し赤くして。
「いいよ。渚くんだから、いいかなって思ったんだよ?
僕のワガママ、聞いてよ。ね?」
あぁ、智紀センパイにはきっと一生敵わない。
「智紀センパイ。大好きだよ。」
「うん。知ってるよ」
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