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メール送信…っと
あぁ、そうだ。
渚に頼まれてたんだっけか。ダブルデート。
遥紀の記憶があることは……
言っといたほうがいいかな。
「あのさ、夏希。」
首を傾げながら、こっちを見てくる。
頭の上に数個のハテナマークが見える………
「渚が、遥紀の生まれ変わりって言ってたのは
覚えてる?」
「うん。渚がオレのためにピアスも髪もやめてくれたのも。」
ちゃんと覚えてる。
話さないほうがいいのかもしれない。
けど、なにかあったときに夏希が躊躇わずに
自らの身を守るために、渚を拒めるように。
「あ、のさ…落ち着いて聞いてね。」
「うん。」
「渚に遥紀の記憶が戻ったらしいんだ。」
少し強張る表情。
「しかも、頭痛がひどい時は
遥紀みたいになっちゃうらしい。
覚えてないみたいだけど。」
「そ、なの。」
「それで…渚がね自分が何するかわからないからって
学校でも、他のどこに行っても
『俺と夏希を二人にするなよ。』って言ってきた。」
「そっ、かぁー。当たってたんだ。」
驚いては居るみたいだけど、思ったより落ち着いてる…
「夏希、大丈夫?」
「うん。思ったより、怖くない。
それに、今度はちゃんと守ってくれるでしょ?」
もちろんだ。
全力で首を縦に振ろう。うん。
「そこで、渚から提案なんだけど。」
「なに?」
「リハビリ代わりにでも、ダブルデートとかどうって。」
「えっ?!」
「無理ならいいんだけど、さ。」
「渚、恋人できたんだ!!!」
こういう時に、彼女と言わずに『恋人』っていうのは
夏希の癖なんだろうか?
勘違いしないように、言っておく。
「男だからね。」
「なにが?」
「渚の恋人。」
そう言うと、病院だと完璧に忘れていたのか
夏希は大声で叫んだ。
その声を聞きつけた看護師が青ざめた顔で入ってきた後、
二人揃って大目玉を食らったのは、
言うまでもない。
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