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デート(夏希)
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その後、母さんも来てくれて
退院の日程と、学校復帰の手続きについてとか、
デートの時に気をつけなきゃいけないこととか、
少しの説明を受けて、オレの今後の予定がしっかりと
決まってきていた。
金曜午前に退院。そして、土曜にデート。
日曜はゆっくり休む。月曜は学校。
気をつけることは、無理は絶対にしないこと。
ちょっとでも辛くなったら、すぐに言うこと。
周りの人に助けてもらった時は、感謝して終わること。
申し訳ないと思っても、突き離すようなことは言わない。
などなど……。
体の事はお医者さんが、心の事は湊が、
ちょっと必死な顔で約束していった。
湊も、お母さんも、その後は帰っていった…。
ちょっと、寂しいな。
―ヴーッヴーッヴーッ
「もしもし…?」
『あぁ、夏希?』
久しぶりに聞いた声。
それは、幼い頃からずって聞いてきた渚のものだった。
「渚っ!久しぶり。忘れててごめんね。」
『い、や…。それはいいんだけど、お前大丈夫なの?』
「なにが?」
『遥紀がいることだよ!!!
ただでさえ、俺のこと怖がってたのに……。』
「あー、大丈夫だよ?湊が守ってくれるから。」
比較的、かるーく。
どうでもいいことのように言ってみた。
けれど、電話の先では照れたときの笑い声。
『お前……。そういうのは湊の前で言えっての!』
「ざんねーん!もう言いましたぁー」
『なんだとっ?!ラブラブじゃねーかよっ!』
そこから、デートの場所のこととか
どういうとこ行こうか?とか
渚の彼氏さんはどんな人だ、とか
そこまで重要じゃないことをダラダラ話していた。
電話を切って、夕ご飯を食べながら
最近話題になっているドラマをケータイで観て
感動できるシーンだったから、ちょっと泣きながら
待ち遠しい来週末に、胸を踊らせていた。
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