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退院(夏希)
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今日は、久しぶりに家に帰ってきて
とりあえず、荷物を片付けた。
日常が帰ってきた感じ。
片付いた頃には、もう午後3時で「おやつにしようか」
と母さんに言われたけど、
リビングで待っているときに寝てしまっていた。
そして、今起きた。
時計は午後6時。
湊が来て、帰っていてもおかしくない時間だ。
どうしよう、帰ってしまっていたら。
会いたいのに。
「あはは、お母さん!
夏希そんなことしてたんだー!」
「そうよー!かわいいでしょう?!」
湊の笑い声が聞こえて安心したのに、
話の内容が気になりすぎる。
驚かしてやろうと、口の前に人差し指を立てて
母さんに「言っちゃダメ」って目配せしながら
オレよりも少し高い肩に腕を回す。
「みーなーとっ!なんの話してんの?」
「夏希?!!!!起きたの。」
驚いたような、嬉しいような。そんな顔をしてる。
「起きた。んで、何の話?」
「あぁ、夏希がケータイ探してた話。」
あの黒歴史か……。
皆さんの為に、ご説明しよう。
ある日オレは、母さんと電話しながら勉強してたんだ。
そしたら、わからないことが出てきて
ケータイで検索しようと思った。
ケータイは耳に当てているのだから、当然目には入らない。
だから、オレは母さんに言ったんだ。
『ケータイがないっ!!!』って………。
ああああああああああああああ、忘れたいっっ!
なんなら、忘れてたのに!!!!
「忘れてっ!!!今すぐっ!!!」
「やだ。かわいいんだもん。」
と、片手でオレの顔を掴んでくる。
「ほっへた、ふぁへほ!!!」
(ほっぺた、やめろ)
「あははははは、夏希タコさんー!!」
「ふぁへろっへ!!!!」
(やめろって)
―ちゅっ
………はい?
今なんか、口に柔らかいものが当たりましたが?!
「夏希、真っ赤。かーわいっ♡」
―ちゅっ
今度はほっぺた?!
「今ご飯お母さんと作ってるからね。
待っててね」
と、王子スマイル。
「湊………なに、して」
「なにって、キス?」
「母さん隣にいるんだけど。」
「許可は貰いましたぁー。」
「許可したわよー。夏希を好きにしちゃって♡」
その後、2人は目を合わせて「ねー!」と声を揃えて
オレの方を見てきた。
なんだろう。
付き合う事に賛成してくれたのは嬉しかったけど
ここは、母として湊に釘を刺すところじゃないか?!
「あんまり、好き勝手しちゃだめよっ!」とかさ…
あぁ、ダメだ。そんなの想像できない。
よし、諦めよう。
「ただいまー。」
そんなとき、父さんが帰ってきた。
これはまた騒がしくなるんじゃないかと、
少しだけ身構えた。
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