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嵐の前の静けさ(湊)
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「二人とも起きなさーい」
耳は聞こえてるのに、目を開ける気にはなれない。
そういう時ってある………。
今、まさにそれだ。
「んん………」
腕の中の夏希が動く感じがする。
夏希が目を開けた時には、俺は笑って『おはよう』を言いたい
それだけの理由で、瞼を開く―――
「あ、湊起きた。おはよー」
…先越された。
ときめいたのは夏希にナイショ。
「あら、二人とも起きたのね。
ご飯作るから、着替えたら着なさい。」
「「はーい」」
ハモったのが嬉しいのと、恥ずかしいので
二人して笑った。
今日は、久しぶりのデートだ。
「夏希、着替え交代でする?それとも後ろ向く?」
「別に気にしないよ?オレは。」
なるほど。気にしないのか…
「あ。」
「なに、夏希。」
ニヤリ。不敵な笑みを浮かべる夏希。
聞かなきゃよかった…
「湊が勃っちゃうって言うなら、オレ出るけど?」
ほーら、下ネタぶっこんてきたよ。
「大丈夫です!」
思いっきり断って、着替え始める。
よし、準備完了!
かばんの準備もして、夏希の部屋の扉を開けると
ふわりといい匂いがした。
「夏希、階段歩く?」
「降りるのは大丈夫だと思う………。」
不安そうな顔とは、逆の言葉が帰ってくる。
ホントは、ちょっと怖いくせに…
「はーい、我慢しない!抱っこしまーす」
そういうわけで、夏希を持ち上げる。
最初は少し戸惑ったみたいだったけど、
すぐに俺の首に手を回してきた。
………可愛いったらありゃしない。
「おはようございますー」
リビングに行くと、
美波さんは食パン二枚とベーコンエッグの乗ったプレートを持ち
陽介さんはその後ろで、焼けた食パンにバターを塗っていた
「夏希、いいわねぇー。」
「俺だって出来る。美波、ちょっと来い。」
「嫌よ。」
仲いいもんだ。
夏希を降ろして、ご飯を食べる。
「それじゃあ、行ってきます。」
「ああ、夏希を頼んだ。」
「はい。」
挨拶をしてから、トイレに行った夏希を迎えに行く。
嵐が来る一時間前の話。
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