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好きだから(夏希)
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「とも先輩。」
「………なに」
俯いたままの先輩がこういう時どんな顔してるかとか
ちょっとだけ想像つく。
少なくとも、他人には見られたくない顔をしてる。
「とも先輩、許してほしいの?
それとも謝ったのも自己満足?」
ふっと顔を上げる先輩。
ここは間違っちゃいけない。
オレにとって一番大事なところだ。
「………両方。」
先輩の小さな声をきっちり聞き取った。
先輩、相変わらずワガママ。
怖かったけど、嫉妬してることくらいわかってた。
別れたいなんて言って、本心じゃ引き止めて欲しかったのかも
「先輩。」
「はい。」
―――今度は、傷つけないでね。オレの親友だから。
「友達、でどうですか?」
「…………?!!」
「夏希?!」
想定外だったのか、湊が変な声を出す。
嫌なの?ダメなの?って顔で訴える。
すると、湊は優しく微笑む。
「夏希もこう言っていますし、
俺も先輩と友達になりたいです。」
「………ぇ」
「だってさ、センパイ。よかったね」
先輩の目にだんだんと溜まっていく涙。
先輩はそれを隠すように、渚に抱きつく。
――先輩も、幸せになってよ。
「先輩、色々あったけど
ノロケ合えるような関係になりましょ!
ほら、先輩オレと同じでにゃんこになったんでしょ?」
意地悪く笑うと、先輩は「なんで?!」と顔をこっちに向けて
「そうだね。
二人には分かんないようなネコの話しようっ」
「もちろん?」
「内緒だよ!!」
「はぁ?!センパイ仲良すぎじゃないっすか?!」
「夏希、離れなさいっ」
「やぁーだよっ」「いやー」
ふたりで見つめ合って、笑い合う。
苦しかった分、笑い合おう。
今度は、『親友』になろう。
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