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好きだから(夏希)
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――ガタン…タタン…タタン
ゆーらゆーら、満員とまでは行かなくても
座る所がほぼ埋まる程度に混んだ電車の中。
オレはとも先輩の隣に座って、
湊と渚は、それぞれ恋人の前に立っていた。
あとはただ、だべるだけ。
どーでもいいことも、結構大事なことも。
ただ、話す。
時折笑って、時折真剣な空気になって
それでも最後は笑う。
オレら、最高の友達(湊は別)になれるって
本気で思えた。
電車から降りると、学校までは一緒に行って
そこから、歩きのとも先輩を渚が送って
オレと湊はあと半時間しないとこないバスを待っていた。
「夏希、明日学校大丈夫?」
「ん……大丈夫だよ!きっと!」
湊が、オレのほっぺたを両手で左右に引っ張る。
絶対ブサイクじゃんか、今。
「ほんとに?」
「ひょっと、こはい。」(ちょっと、怖い。)
「そっか。うん。そうだよね」
ぽんぽんと頭に置かれる手。
「大丈夫、とは言わない。
でも、オレも渚も智紀先輩もいるからね。」
「うん。全員、信じてる。」
「裏切ったりしない。傷つけたりしない。」
「うん。」
「渚と二人っきりにもさせない。危ないからね」
「うん。」
「うん♡」
優しく抱きしめられて、暖かい。
心が満たされていく感じ。
失くなってたものが、また戻ってくる。
幸せだって、本気で思う。
―――プーッ
「バス来たね。渚来ないけど、乗っちゃおうか。」
「いいの?」
「大丈夫デショ!」
乗ろうとした時に、
「はぁ、はぁ、あっぶねぇ…」
渚が駆け込み。
何はともあれ、ちゃんと帰れてよかった。
家につくと、母さんも父さんもご飯を食べていて
途中から一緒に食べ始めた。
湊は、明日学校なのもあって
オレを家まで送ってくれてから、一時間後のバスに乗るまで
オレの家でご飯を食べたり、話したりして
家に帰っていった。
明日は、学校だ。
久しぶりの、学校だ。
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