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そうだよね(湊)
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――ピンポーン
その数秒後
――ガチャっ
「おはよう。湊くん。ヘルプ。」
確認とかしなくていいんですか?とか
危ないですよ。とか
言いたいことは沢山あるけど……
あるんだけどっ?!
「美波さんっ!これなんですか?!」
「夏希。」
いやいや、我が恋人はもっとこう…ね?!
人らしいんだよ。あぁ、人間だなぁって。
思わずとも人なんだよ。生きている。
だか、目の前にいるこれは
「言い過ぎかもしれないですが、ゾンビじゃないですか。」
魂が抜けている。俺には見える。(中二病)
「いやぁ、おはよう。湊くん。
朝の星座占いが最下位だったみたいで。」
いやいや、陽介さん。
そういうレベル超えてますよ。これ。
「な、夏希?ほら、学校行こう?」
「み、なと。」
あ、魂戻った。
その途端目に溜まっていく涙。
「みーなとぉぉぉ、どーしよう
オレ………オレぇぇぇ」
こーれは。ダメだ。
「美波さん、遅刻の連絡お願いしてもいいですか?
二人分。」
「えぇ、」
――ガチャっ
「湊ぉー!夏希ぃー!バス来るぞーっ?!」
「美波さん、やっぱり三人分。」
「えぇ、わかったわ」
くすくす笑いながら、美波さんは電話のところへと行く。
代わりに渚が、顔を出す。
「よぉー!って、朝からいちゃつくなっ!」
「いちゃついてないっ!
夏希のカバン持ってきてっ!」
「あぁ?!なんてっ?」
「だぁーらっ!カバンっ!2階の夏希の部屋から!」
「えーっと、先トイレ行ってもい?」
「勝手に行けっ!!」
あ、やばい。と思った頃には遅い。
うるうるの目がこっちを見つめている。
俺の制服のシャツの胸元あたりを握りしめながら。
「やぁだぁぁぁぁっっ
やっぱり、ケンカになったぁぁぁ」
「ごめん、ごめん、ケンカじゃないから。
ねっ?ねっ?」
「ひっ、うぅぅ……」
「もー、そんなに泣くなって。
占いとか、大丈夫だから。ね?」
「だって…!」
「ん?」
あー、顔ぐっしゃぐしゃだよ。
本当に大丈夫かな、これ。
「占い、友達とぉ、仲、悪くなるってぇ…」
再び泣き出す。
まぁ、気にするな。といっても気にしてしまうんだろうな。
「わかった。
夏希がダメなことしたら俺がフォローするから
ね、そしたら仲悪くならないでしょ?」
『友達と』仲が悪くなるなら俺は例外だからね。
「うー♡」
すりすり、と頭を俺の胸に押し付けてくる。
はぁーーーーー、かわいい。
「よしっ!じゃあ、学校行こうね。
準備の続きしよう?」
夏希は、満面の笑みを浮かべながら頷く。
けれど、目は腫れている。
目の腫れもひかさなきゃな…
「湊ぉ、カバンっ!」
「おう、さんきゅ。」
「いいってー!」
笑顔で会話する俺らに安心したのか
夏希はそれから泣かず、ぐずらず、
ゆっくりながらもちゃんと準備をした。
久しぶりってこともあって、色々ナーバスだったんだろう。
これくらいは、想定内。想定内。
「湊、もう行ける!」
目の腫れも引いたようで、いつもの顔だ。
「「「いってきます!」」」
三人揃って、扉から出る。
「いってらっしゃい。」
返ってくる声がある。
大丈夫だよ。何かあってもここに戻れる。
――パタンっ
その音は、「頑張ってこい!」の後押しだよ。
帰ってこれなくなったりしない。
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