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そうだよね…(渚)
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いや、ね?
止めらんなかったよ。
夏希がさっきの仕返しのつもりでやってるのはわかったよ。
ただ、ね?
その後の湊………
あれ、完璧にスイッチ入っちゃってんじゃん。
ああなったら、止まれない。
俺もわかるよ。うんうん。
って、二人でトイレ行っちまったら
俺どうしたらいいんだよっ!
教室も授業中なのもあって、一人じゃ入りにくいし
それに、二人はどうしたんだって聞かれたら
なんて答えればいいんだ…
『トイレです』って言っといて、
なかなか帰ってこなかったら、そりゃもう…
色々あった後だし、どんな噂になるか…
ただでさえ、視線が冷たいのに
ここに悪口の如く囁かれる噂が加われば、
夏希はどうなる?
教室には、行かないほうがいい。
二人が来てから、いかにも『今来ました』って顔で
堂々と入っていけばいいんだから。
俺が、廊下で寂しくケータイゲー厶してりゃ済むんだから…
「なぁぎぃさくんっ!」
なんか、智紀センパイの声聞こえるけど
授業中だしな。いるわけない、ない!
幻聴とか俺どんだけ好きなんだよ(笑)
「もう!渚くんっ!」
「わっ!本物?!」
急にイヤホンを取られて、耳に直接届いたセンパイの声で
幻じゃねぇってわかった。
「なにしてんの?!授業中じゃ?!」
「しぃーーーっ!!!」
「ご、ごめん……」
もうっ!と頬を膨らませてから、俺の頬を両手で挟む。
その手を俺の頬で遊ぶように回して、楽しそうにしている。
して、俺は気付いた。
今のこの危うい体制を。
俺は、足を開いて両膝を立てて
その足の間に智紀センパイは正座を崩した感じで
すっぽりとはまっている。
ヤバい、さっきまではほっこりしてたのに
そんな穏やかじゃいられねぇぞ?!
「せ、センパイ?」
「なーに?」
「わかったから、そこ退こう?」
「いや。僕がここにいたらダメなの?」
おぉーーーっ…!!!
鼻血もんだぞ、これ!!!
どうしてくれんだ、俺までトイレ行きは辛い!
「や、ね?
理性が大変だから、ね?
隣座って?」
「ん゛ーーーーっ」
うわー、めっちゃ嫌そう(笑)
でも、大人しく退いてくれて隣にムスッとした顔で座る。
甘えたかったんだろ?
わかってるよ。甘やかしたげるから。
智紀センパイの頭を軽く押して、
俺の方へ傾ける。
そして、腰に手を回す。
「これで我慢して?」
と、センパイは顔を真っ赤にして嬉しそうに頷いた。
「センパイ、ところでなんで来たの?」
さっき、聞きそびれた事だ。
やっぱり聞いておきたい。
「あ、のね?自習だっから、外見てたの。
そしたら、渚くんが見えたから…」
ほら、そうでしょ?
でも聞きたいから、わからないふりする。
「見えたから?」
「会いたくて…、いても立ってもいられなくて…」
想像通りで、想像以上だった回答に
俺は驚いてポカンとしてしまうと、智紀センパイは
それを呆れた顔だと思ったのか
「ご、めん。後輩のところにこんなの…
邪魔だよね!!僕って考え無しだなぁ」
あはは、と悲しそうな顔で笑う。
すぐに撤回しようと思っていたのに、その顔を見て
ちょっと意地悪してやろう、と思い直した。
「ほんとに!
センパイ急に来たから、むっちゃびっくりした。」
「ごめんなさい……」
「それに、授業抜けだしたらダメでしょ?」
「うん……。かえる……。」
俺の言う事を聞いて、
大人しく帰ろうとするのはかわいいけど
もちろんのこと、そう簡単に帰すつもりはない。
「待って」
手首をしっかり掴んでこっちに引っ張る。
腕の中に包んで、今度はこっちを向かせて
………笑いかける。
「ダメだけど、来てくれて嬉しかった。」
「…っ!」
「会いに来てくれてありがとう、智紀センパイ」
たまらないって顔をして、ぎゅうって抱きついてくる。
可愛くって、湊と夏希のことなんてもちろん忘れてた。
――キーンコンカーンコン
「「あ、」」
気づいたら、授業の終わりを告げるチャイムが鳴っていた。
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