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石の隙間。(この題名は湊side)
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―カクンっ
「っとと…」
なんで、また意識失うの??
なんで、俺を見た途端に安心してるの??
俺を離したいんでしょ…?
「な、つき。。。」
もう枯れたと思ったのに。
まだ残っていた涙が、腫れた夏希の瞼に落ちる。
「…な、なぁ 湊。」
「…なに?ごめん、かっこ悪いよな。」
「お前ら、なんで別れたんだよ。
二人とも、ボロボロだぞ??」
傍から見れば、確かにそうだろう。
「多分ね、夏希は俺が夏希を守ってるのが
迷惑かけてると思ってるんだと思う。
授業抜けたり、盾になったり。
そういうの、全部。
俺が迷惑に思ってると思ってるんだよ…
『頼れ』ってあんなに言ってたのにね」
頬を撫でる。
なんで、幸せそうな顔をするの??
「湊。お前ら、別れたの間違ってるよ。
今ならまだ間に合うだろ??
より戻せよ。」
「。。。渚」
「夏希、なんて言ってたんだ?」
「俺を嫌いになんてなれない、って。」
「だろ??
より戻せよ。」
そうは、言われても。
無理だ…
夏希の決意を無駄にしたくない。
俺が苦しいのなんか、どうだっていいんだ。
「渚、送ってやって。」
「だめだ。お前も来い。」
半ば強引に、だ。
渚ったら、夏希を放ったまま
カバンだけもってスタスタ歩くんだ。
「夏希、ごめん。
不安にさせてごめんね。
嫌いになれなくて、ごめんね…」
夏希を抱き上げる。
本当は、寝顔見てるのも辛い。
それなのに…
「み、な…と。」
また、俺の名前を呼んで
「ご、めん」
謝って、瞑った瞼の端から涙を零しながら
「あ、いして…る」
こんなの、拷問だ。
気づいたら、俺は廊下の真ん中で
夏希に抱きついて
「…ふっ、く
な、つき…な、んで…
いま…い、うの…??」
泣き崩れていた。
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