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眠り姫(湊)...3
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「はよーーーっ、湊!!」
「………」
「湊ーーーっっ!」
「わっ!渚?!!おはよう」
全然、気づかなかった…
「湊、お前大丈夫か??」
「あ、うん。毎日病院にも通ってるしね。」
「そうか。」
病院に通うのは、
俺のどっかが悪い訳じゃない。
夏希が…まだ目覚めないんだ。
あの事件から、もう1ヶ月が過ぎようとしていた
夏希に会うことは出来るようになったものの
会えるのは、人形のように眠った夏希。
笑ったり、泣いたり、苦しんだりしない。
遥希のせいで苦しそうな夏希を見てるのは
それは苦しかった。
何もしてやれなくて、
側に居るのも本当は俺の独り善がりじゃないか
って、そう思うほどに。
夏希は周りに怯えて…
俺でさえも始めは怯えられていたから
側に居るって決めたものの、
苦しかった。
けど、
そんな苦しみなんか比べ物にならないくらい
今のほうが辛い。
いつ、夏希に何が起きるかわからない状況で
何をするのも気が気じゃない。
学校行事だと言われて、渋々いった遠足も
ほとんどずっと、ソワソワしてた。
もしも、今夏希に何かが起きたら??
そう思うと、楽しんでなんていられなかった。
夏希が好きそうなものをお土産にして
解散と同時に病院に走った。
もちろん、何もなかったけどね。
ねぇ、夏希??
もう起きないつもりなの?
もう俺の前で笑ってくれないの?
会いたいよ。
もう一度、会いに来て。
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