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嵐(智紀)
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渚くんから聞いた話だと、
湊くんの彼氏は色々あって病院にいて
最近まで意識がなかったとか
今も長い間歩けないとか………。
それが、夏希?
「とも先輩……。
お久しぶり、です」
引きつったような笑顔。
この笑顔沢山見てきたはずなのに……。
前はなんとも思わなかった。
けど、今は心が痛い…
「夏希………。ごめん。」
「智紀センパイ。行こう。」
渚くんに手をひかれる。
なんだか恥ずかしいような、悪いことをしているような。
もらったハンカチをずっと大切にしているくらい
大好きだった、元彼。
それが、夏希。
「夏希?大丈夫?どうしたの?」
「え、あ…後で言う。」
夏希は湊くんに、愛想笑いを向ける。
なんだろう、僕のものじゃない。
わかってるのに、わかってるんだけど。
つい、手を伸ばしてしまう。
そのことを先読みしたのか、
渚くんはいつものような笑顔で
僕の手を掴んで、引っ張って行く。
その強引さが少し嬉しかった。
はずなんだ、
ただ僕には余裕がなかった。
少なくとも、渚くんの強引さにきづけない程度には。
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