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集合!(夏希)
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はぁ……ドキドキする。
大丈夫だって言い聞かせても、『もしも』って悪い事が浮かんで
その度に、湊の姿を見て安心して。
それを何度繰り返しただろう。
やっと……。やっっっと、ここに来れた。
湊に会った始まりの場所。
階とか、間取りとか、メンバーとか、変わっちゃったけど(笑)
それでも、よかったなって。
一つの達成感があったんだ。
――ガラガラガラっ
目に飛び込んでくる、初めて見る人。
前も同じだった人。
…みんな、目を丸くしていた。
オレはもう来れないって、思ってたのかな?
そうだよね。オレもそれが一番楽。
だけど、戦うんだ。
仲間がいるから、怖いのなんか忘れるくらい
笑って、笑って………。
「夏希、おーいで。」
湊に呼ばれて、歩く。
少しの距離がとてつもなく遠く感じた。
――ガタガタっ
「はい、どーぞ。座って?」
「あ、りがと」
椅子に座ると、
三人がオレの周りを囲むように立ってくれて、
全員が優しく笑った。
「夏希、来れたじゃん!!」
「がんばったーーーっ!」
「さすが、俺の幼馴染」
褒めちぎられて、嬉しいけど、悪目立ち。
ヒソヒソ、話しているのが気になる。
決定打は、壮介の取り巻きをしていた
ある男子の言葉だった。
「おい、お前なんで来たんだ?!!!
家帰れよ。汚ねぇんだよっ!」
誰のこと?そんなのわかってる。
汚い?そんなの知ってるよ。
もう、倒れたりなんかしない。言い返してやる。
「ねぇ、確かにおかしいとは思うけど
別に、なんにも悪いことしてないのに
何がそんなに気に食わないの?」
オレが反論したことに、驚く三人。
難癖つけてきたあいつさえ、
いきいきしていたくせに、驚いて固まっている。
なんだろう。
なんだか、スッキリした。
「なに、なんか間違ってる?オレ。
それなら、それで教えて欲しいんだけど。」
「え、日和くんってあーゆー子なの?!」
「ハキハキしてんじゃん、誰だよ陰キャって言ったの」
「なに、誰が尻軽って言ったの?!チョー爽やか」
ザワザワ。時折、「すげーな」って褒められて
ちょっと嬉しかった。
湊の方を向くと、湊も嬉しそうに笑ってて
心底安心した。
かくして、オレの高2生活は始まった。
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