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苦...2
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とりあえず、湊を起こそうと思った。
いくら毛布が掛けられているとはいえ、
彼は骨が折れている。
揺するのは気が引けて、
叩くにもどこを叩いてよいやらわからず
頭なら大丈夫かなと思って
頭をぽんぽん 撫でながら
「湊、起きて。変な風に骨つくぞ」
というと、
さっきまで寝てたと思ったのに
オレが、撫でてた手をしっかりとキャッチして
「おはよ」と言ったあと
手にキスされた。
王子様感が日に日に増している気がする…
「そういえば、骨…」
「ああ、昨日完璧じゃないけど
くっついたって。」
「オレ、起きてから1週間も経ってないのに
早いなぁー」
湊が少しだけ顔を強張らせて
「夏希?今何月?」
って真剣な顔で聞くことか?!
「10月じゃないの?」
湊は、額に手を当てて、
首をゆるゆると振って
「12月だぞ。」
え?えええええええええ?!!!
「夏希は2ヶ月くらい寝たままだったからな」
えええええええええ?!!!
「ちょっ、初めて知ったんだけど?!」
「テレビ見てるし、知ってると思ってた。
聞いてこねーんだーぐらいにしか…」
「言ってよ?!!
通りで特番が多いわけだ!!
クリスマスは??」
「明後日」
「もーーーーっ
湊のばか。」
これじゃ、何もできないじゃんか。
クリスマスプレゼントどうしようか
めっっっちゃ考えてたのに。
「あーもー、そんないじけないのっ!
ほら、早く寝とけ!!
また、頭痛くなるぞ。」
たしかに、少し眠い。
オレは、湊の言う通り寝ることにした。
(夏希就寝のため湊side)
―すー…すー…
穏やかな顔して寝てる。
また、うなされないといいんだけどなぁ。
ずっと寝ているからか、
寝癖がすごく付いている髪の毛が
ちょっとかわいくって
頭を撫でてみた。
「夏希、おやすみ。」
―ちゅっ
おでこにキスして、
自分のベットに戻ろうとしたら
「う…いや。。。っっ
ごめん、なさ…や…ゆるして、、、、
もぅ。。。やだっっっ」
夏希がうなされ始めた。
これは、前世の記憶見てるな。
確信した。
起こそう。
「夏希、起きろ。夏希。」
「やっっっっっも…は、るき、センパイっっ」
やばい。
また、もとにもどってしまう。
「夏希っっっ、起きろっっっ!!!
俺んとこに戻ってこいっっっ!!!!
遥希のとこに行くなっっっ!!」
叫んだとき、廊下を歩いていたのだろうか
ちょうど、夏希の主治医が顔を出した。
「どうしました?!!」
「夏希が、多分前世の記憶見てます!!
前もこうだったんです!!
早く起こさないと…っ!」
医者は無駄に冷静だ
「でも…」
「でもじゃないっ!
今、起こしてやらないと
起きた時、夏希は人に怯えるんだ!
夏希に怖い思いさせろって言うんですか!」
「んっ…み、なと??」
俺が、こんだけ騒げば
いくら悪夢にうなされると言えど
夏希は起きるだろう。
案の定、起きた。
「湊、また遥希センパイ…、
オレを…凪斗がっっっ
湊も…あーなっちゃ、う」
なんとか、内容を伝えようとしてくれている。
けれど、恐怖で涙が止まらないようで
嗚咽を漏らしながら泣いている。
俺にできることはただ一つ。
夏希を抱きしめて
「大丈夫。俺はそんなことしない。
俺はここにいるから。
大丈夫だよ。夏希」
ただ、泣き止んで落ち着くまで
「大丈夫。」を繰り返してやるだけ。
夏希が笑えるまで。
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