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例えばの話。3
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sideP-P
「うわ、寒……」
同じように外へ出たつわはすさんがぼそっと呟いた。
僕は雑にコートだけ着たがつわはすさんはマフラーに手袋、そしてコートという重装備だった。
どれだけ寒がりなのだろうか。
「ねぇつわはすさん、デートってどこ行くの?」
小さく震えている相手をちら、と見ながら問いかけた。
そうすればんー、と少し考えるような仕草をする。
目は雲一つない青空に向けられていた。
「…公園でいい?」
暫く考え込んだ後に短く答えた。
何も考えていなかったのだろう、安直な考えだ。
まぁ公園ならここから近いしお金もかからないし…
「いいよ、行こ!」
僕はこくこく、と頷き公園へと歩き出した。
とても快晴なのはいい事なのだがやはり風は冷たい。
何も着けていないせいか手が徐々に冷たくなっていく。
やはり手袋くらいは付けてくるべきだっただろうか。
隣を歩くつわはすさんの手元を見る。
暖かそうだなぁ。
「…どうかした?ぴーちゃん」
名前を呼ばれてハッとする。見つめすぎたか。
慌てて目線を相手の顔に向けて足を止めた。
僕は冷たくなっていく手を擦りながら応えた。
「ううん、ちょっと寒いから手袋付けてくれば良かったかなって思っただけ」
そのまま思ったことを口にすればつわはすさんはきょと、と自分の手と僕の手を交互に見た。
どうしたんだろう。…とりあえず公園と足を進めよう。
また歩き始めようとした僕は足を止めた。
いや、止めさせられた。
「これなら大丈夫?」
先程まで冷たかった手に温もりが伝わる。
つわはすさんは僕の手を握っていた。
「へ?」
僕は思わず間抜けな声を出してしまった。
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