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真実
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分かった事は2つ。
1つは、ラミラス姫殿下の故郷。
そして、2つ目は彼女の罪。
この2つは深く繋がっていた。
ラミラス姫殿下の故郷は、今はもう無い。
先の戦争で、壊滅的な被害を受けた村の1つだった。
その後、旅の一座に拾われ、そして色々な地を旅して回ったという。
たまたまこの国に訪れた時、それを偶然見た国王に見初められたのがきっかけだった。
でも、彼女はずっと国王を恨んでいた。
故郷を滅ぼした根本の原因は、国王の隣国へ振りかけた戦争のせいだったから。
結局暗殺は失敗。
この国で王族への殺傷行為は、未遂であっても大逆罪____死刑に相当する。
ラミラス姫殿下は国王の慈悲の元、お腹の中にいた赤ん坊と共に西の塔に幽閉されたそうだ。
しかしその後、母親は脱走した。
王族の誰かが手を貸した疑いがあったものの、犯人は見つからず仕舞い。
そして彼女の行方は、未だに分かっていない。
エリック=トンプソンの書記を読み終えた頃には、辺りは夕日が沈みかけていた。
こんなの、あんまりだ。
リンは何も悪いことなんてしていない。
ただの犠牲者じゃないか。
何故彼が1人幽閉されなければならないのか、理解できなかった。
「考え過ぎんなよ」
帰り道。
ネイ兄がオレの気持ちを理解して、そっと頭を撫でてくれた。
「子どもは親を選べないんだなーって思ってさ」
オレがポツリと呟く。
すると、ネイ兄は真剣に意味を考えてくれた。
「でもさ、無条件の愛を初めてくれるのも親なんじゃないかな」
根拠は無いけど、それには少し納得出来た。
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