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《再会》10
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「フミヒコの恐さはよく分かった…だからこそ、アキラをここから助けたいんだ」
みずきはようやく顔を上げアキラを見て言葉を返す。
目的はアキラに謝って、誤解を解いて、そしてアキラを助けること…
「なんで?」
「…アキラが、大切だから…」
まっすぐ瞳を見つめ伝えるみずき。
「…え?」
真剣な…そして優しさのこもった瞳…
いつもの暖かな眼差し、良く知ってる感情のこもった…
「……」
それに気付いてドキッと胸が鳴るアキラ。
まさか……
「アキラはフミヒコの所には行きたくないと言っていた、だから俺が身代わりになったっていい、アキラには自由に生きてほしいんだ」
「馬鹿!何言ってんだよ!」
しかしみずきの次の言葉にカッとなるアキラ。
「オレの身代わり?馬鹿じゃねぇの!?」
続けてきつく言い返す。
「アキラ…」
「二度とそんなこと考えんな!」
「でも…」
「オレはいいんだよ、もう…どこでどうなろうと…」
納得はしていないけれど、受容はすることにした。
ここで寿命がきて死ぬことになってもいいと…そうあきらめたから…
「アキラ…」
投げやりなアキラの態度を心配するみずきだが…
「けど、お前は違うだろ?お前には職場もあるし必要としてくれる家族もいるだろ!お前がいなくなったら心配してくれてるお姉さんや入院してる親父さんどーすんだよ」
オレには何もないから、継がなきゃならない病院も仕事もない。
身内にだって…生きていたらお荷物にしかならない身体。
だから…、オレがいなくなっても困る奴はいないから…
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