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《再会》13
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「大分動ける?」
アキラはみずきを心配するように声かける。
「あぁ…すまない」
時間がたったからか身体は少しずつ自由になってくる。
「部屋戻ろ、ここはフミヒコの部屋だから…使用人にも見張られてるし…」
今もドアのところに使用人が立って見ている。
「あぁ…」
頷いてゆっくり立ち上がるみずき。
そっと寄り添うように腕を支えるアキラ。
そして使用人に見張られているフミヒコの部屋を出て、いったん自分の部屋までみずきを連れて行く。
みずきの手をとって、まだ早く動けないみずきに寄り添うようにゆっくり歩くアキラ。
「オレの部屋も多分盗聴されてるだろうけど、気分的にフミヒコ部屋よりはいいだろ?」
歩きながらみずきに話す。
「……、あぁ、アキラにこんな生活をさせて、本当にすまない」
すべてを見張られて、軟禁状態で1ヶ月を過ごしていたアキラを想うと胸が押し潰されそうになる。
「ちがう、お前は悪くない…お前は騙されただけだから、オレも…だけど」
緩く首を振ってみずきの言葉を否定する。
「アキラ?」
「それにメアリーとリッツがいたから、オレは平気…」
そっと顔をあげて少し微笑みかけるように言う。
「アキラ…」
そんなアキラの様子を見ると余計胸が締め付けられるように痛くなるみずき。
「そうそう…これ」
アキラは拾ったみずきの指輪を返す。
「あ、気付いてくれたのか」
はっとして受け取りながら聞き返すみずき。
「リッツたちがな、そこまで来てたんだな…」
頷いて応える。
「あぁアキラに会おうと思って全力で走ったけど届かなかった」
浅はかだと思ったけれど…
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