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《再会》14
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「……捨ててあるのかと思った」
ぽつりと呟くように言う。
「違う、捕まって薬を嗅がされた時、何とかアキラに来たことを伝えられないかと、とっさに指輪を転がしたんだ」
すぐ否定して理由を伝える。
「……そっか」
忘れているはずの感情をすっかり思い出してしまっているみずき。
それを嬉しく思う感情が確かにあって…
先の色々なことを考えると、そんな甘えた気持ちあってはならないのだけど…
「アキラ…少し痩せた?」
アキラを見つめ、気になったことを聞いてしまう。
1ヶ月前に比べて少し顔が痩せたように見える。
「ん?どうだろ、あまり食べてないからな…」
そう首を傾げる。
「スパゲティなら作れるが…」
食べていないと聞いて、好きなものを取りあえず言ってみる。
「ふっ…」
真剣に言うみずきがおかしくて笑ってしまう。
「アキラ…」
「みずきの…握ったおにぎりが食べたいかも…」
微笑みながらそう伝える。
「あぁ、そんなのでいいならいくらでも作るよ」
2回ほど頷きながら快く応えるみずき。
「……、いくらでもって、ひとつでいいよ」
アキラはその言葉を聞いて、みずきをみた後、微笑んでそうこたえる。
「あぁ…」
「この会話前にもしたことあるな…」
アキラはクスッと笑って言う。
「あぁ、クリスマスの…」
みずきも頷いて答える。
「指輪もらった時…」
「あぁ、そうだな」
優しく頷くみずき。
「……」
あの時もお前はまっすぐオレだけを見ててくれた。
みずきのこと…
どうしたらいいんだろう。
変わらない、みずきの気持ち…
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