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《2人の脱出作戦》10
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「おはよう、ちょっと散歩行ってくるから…」
いつものことなのだろう、アキラは返事を返し話しかける。
「では付き人を呼びますのでお待ちください」
監視員はそうアキラたちを引き止める。
「いいよ、今日はこいついるし、」
「いえ、こちらの付き人無しには外出の許可ができませんので、少々お待ちください」
やはり2人だけでは出してはもらえない。
怪しまれないようおとなしく待つアキラとみずき。
そしてガタイのいい外人がやってきてようやく外に出ることが出来た。
みずきとアキラ、犬たちの後ろを監視するようについて来る付き人。
逃げ出すタイミングがなかなかない。
少し歩き、休憩の為、公園のベンチに座るアキラ。
その瞬間、アキラは小さい声で犬たちに「go!」と合図し同時にリードを手放す。
すると二匹の犬たちは弾かれたように駆け出していく。
「!!」
付き人は驚いて犬たちを目で追っている。
その隙にみずきはアキラをさっと抱きかかえ、路地へ向かって全力疾走する。
「っ待て!」
それに気づいた付き人も慌てて追いかけようとするが、一度逃げ出した犬たちが戻ってきて付き人に吠えかかり、進路を妨害する。
全力疾走のみずき、犬たちの時間稼ぎのおかげもあり、なんとかその場は逃げ切ることが出来た。
しかし走れたと言っても400メートルほど、人通りの少ない路地を複雑に走って予定していた場所の近くのアパートと駐車場の間に隠れる…とりあえずは外界からは見えない場所だ。
「はァ、ハァ、ッ、ハァ…」
アキラを抱えたまま走り続けたみずき、さすがに息が切れる。
汗もかなり…
アキラをそっと降ろす。
「大丈夫?みずき」
辛そうなみずきを見て、その前髪をすいて額の汗を拭いながら聞いてしまう。
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