アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
《急転》8
-
2人は健次を見送り、廊下に出る。
「結局アキラがちゃんと薬飲んでねーのが悪いわけだろ」
ヨシはやれやれとため息をつきながら言う。
「いや、今回のことは…俺が突然アキラのところへ行って、アキラを助けたいなどと言ったから…アキラはしばらく飲んでいなかった薬を急に飲まなくてはいけない状況になって…薬の中毒を起こしてしまったんだ」
外出はアキラに負担がかかるのは分かっていたのに…なぜもっと負担のかからない方法に出来なかったのか…
そのせいでアキラは危うく命を落とすところだった…
それを思うと罪悪感に縛られる。
「そんなことねーって、アキラの自己管理がなってなかったんだろ、まあ、元気になるっつってんだから気にすんな、病室行こうぜ」
ヨシは軽くみずきをなだめながら移動を促す。
「…あぁ」
アキラ専用の病室、普段は健次の仮眠場所として使われている。
しかし、今はベッドがなくがらんとしている。
みずきとヨシは言われたとおりしっかり消毒して部屋に入り、椅子に座ってアキラを待つ。
しばらくして、アキラがベッドごと運ばれてくる。
心電図モニターや人工呼吸器など繋いだまま…
「鎮静系の薬を使用しているためアキラはまだ目覚めないとは思いますが…良かったらゆっくりしていってください」
健次は優しく2人に伝える。
「ICUとかじゃなくて大丈夫なんすか?」
ヨシが気になったことを聞いてみる。
「状態は安定していますから大丈夫ですよ、この心電図モニターが詰所に繋がっているので異変があればすぐわかるようになっていますから」
それに優しく丁寧に答える健次。
「そうですか」
「心配をおかけしてすみませんでした、アキラが助かったのはあなた方のおかげです、本当にありがとうございました」
そして2人に深く頭を下げる。
「いえ…」
「ではまたきますね」
「はい…」
返事を確認して健次はそのまま部屋をあとにする。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
87 / 149