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《急転》10
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「……、でも、やはりもう少し側にいたい…ヨシ、すまないがアキラの犬達の世話を頼めないだろうか…」
自分が側にいて何かが変わるわけではないが…それでもアキラが少しでも早く戻ってこれるように…時間の許す限り付き添っていたいと思ってしまう。
ヨシに断って、みずきは気になっていたことを頼む。
ヨシの家にはアキラの飼い犬二匹を置いてきている。
「あぁ、別にいいけど…あいつら賢いし」
「なら頼む、うちのアパートでは飼えないから…アキラが目覚めるまで…」
「おっけ、お前は本当に帰らないのか?」
ヨシは快く了承してもう一度聞く。
「あぁ、」
「バイクないだろ、帰りどーすんだ?」
バイクはヨシの家に置いてきている。
「自力で走って帰るから大丈夫だ」
走るのは好きなみずき…当たり前のように答える。
「え、マジで?すげぇな…まぁ気をつけろよ」
ちょっと驚きながらも頷くヨシ。
「あぁ、ありがとう、ヨシも気をつけて」
「おう、じゃ、なんかあったら何時でもケータイに連絡くれたらいいからな」
軽く片手をあげてみずきに言うヨシ。
「あぁ、助かったよ」
「じゃまたな、」
「あぁ」
ヨシを病室の外まで見送って、再びアキラの部屋に戻ってくるみずき。
意識のないアキラのそばに椅子を持ってきて座る。
「アキラ…」
そっと名前を呼んでみる。
しかし、反応はない…
そんな姿を目の前にすると…もう目覚めなくなるのではないかと、震えるような恐怖感、そして、こんな状態にしてしまった後悔の気持ちに押し潰されそうになる。
どうか、早く目覚めてほしい、そう祈るばかりのみずき。
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