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《急転》11
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それからしばらくして、病室の戸がノックされる。
「はい」
反射的に答えるみずき。
「失礼します」
「あ、健次先生」
入ってきたのはアキラの伯父の健次。
はっとして立ち上がるみずき…
「すみません、いいですよ。様子を見るので一時間おきに私か看護師が出入りしますが、お気になさらず、ゆっくりしてくださいね」
みずきを椅子に促しながら、健次はアキラの様子を見て何やら書き込んでいる。
「あの、面会時間は何時までですか?」
「ここは個室なので気にしなくてもいいですよ。一般病棟からも離れていますし…あ、夜間出入りされる場合は救急用の入り口を使ってくださいね」
「あ、はい」
「今回の事、びっくりされたでしょう」
「……」
「アキラの病は、突然急変が起こる病ですから…でも今回はアキラの体調管理と薬の管理が悪かったのが一番の原因ですがね…」
「……」
「なので、いち早く異変に気づいてくださって、救命処置をしてくださった鈴鹿さんには本当に感謝しています。ありがとうございました」
健次はあらためてみずきにお礼を言う。
「いえ、俺はたいしたことはできなくて…アキラを苦しめてばかりで…」
「そんなことはないですよ、気負わないでくださいね」
優しくさとす健次。
みずきは少し心が軽くなる。
「俺に、俺に何か出来ることはありませんか?」
少しでも何かの役に立ちたい、じっとしているのが口惜しいから。
「鈴鹿さん…」
「何か手伝えることがあれば…何でもします。アキラのために…」
できることがあれば…
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