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《安住という名の軟禁》
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フミヒコのマンション内の一室にアキラは飼い犬たちと居た。
あの日、フミヒコに別れを告げるつもりが、次に移り住むはずだった施設を勝手に解約されてしまった為、そのまま強制的にフミヒコのマンションに住まわされていた。
はじめのうちは逃げ出す機会がないか探っていたが、自分の携帯電話はフミヒコに取り上げられてしまい、病院や犬の散歩など、少しの外出でも必ず付き人が付いてくる為、逃げ出す隙はなかった。
さらに部屋には盗聴器や隠しカメラが数台あり、常に見張られている状態で、次第にその気力も失われていた。
週に2日ほど来るフミヒコの相手をして…
あとは犬たちと時間が過ぎるのをただ待つ生活。
危険もないが、自由もない。仮の安住。
飼い殺されているのと同じ状態だった。
そんな生活が1ヶ月近く続いて…
アキラは、全てを諦めて現状を受け入れようとしていた。
確かに、ここに居れば、誰にも迷惑はかけない、病気で倒れても、フミヒコの従業員が処理してくれる。
(弟にも、健次さんにもここは伝えていない。
唯一、フミヒコとのことを知っていたみずきは、オレのことを忘れていくはずだから…)
もう、何も考えず、何も望まずその時が来るまで…
ただ、現状を受け入れるだけ…。
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