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《記憶の欠片》1
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いつの間にか月が変わり、6月になる。
雨の多い時期に入ったためか今日も朝から雨が降っている。
みずきは相変わらず毎日忙しく働いていた。
昼の仕事を終え帰宅。
今日は夜間の仕事が休みなのでゆっくり過ごせる。
でもなぜか一人で家にいるのが落ち着かないみずき。
普段自分は仕事が休みの日は何をしていたのか…
帰ったら、アキラが待っていて…
話を聞いて、買い物に行ったり犬の散歩に行ったり。
一緒に食事を作って、一緒に食べて、テレビを見て、風呂に入って…
そして寝ていた。
いつも隣にアキラがいたから…
アキラに会ってみようと思いながらも特に用事もないため会いに行けていなかった。
会えないならわざわざ会わなくてもいいか…と、思いはじめてもいた。
しかし、なにか引っかかる心…
アキラのいなくなった生活に物足りなさを感じているのも確かで…
「そう言えば…」
アキラに捨てておいて欲しいと言われていたものがあったことを思い出す。
クローゼットの中。
袋に入った。
「あった…」
中を見ると…
アキラの学校の教材や小物があった。
その中のノートをひとつ取って中を見てみる。
「きれいな字…」
アキラの書く字はお手本のようにきれいな字。
「すごいな…全部捨てるのか」
なんだか勿体無い気になってしまうみずき。
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