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「迷惑はかけられていないから大丈夫。それより、宮本小葉と秋葉がこっちに向かっているみたいだよ。……突然倒れた理由は知らないけど、焦ってないってことは初めてじゃないんだと思うから。律が話してくれるまでは、俺も知らないままでいいかな」
てっきり追求されると思っていたけれど、そんなこともなくて安心した。
小ちゃんと秋ちゃんが来るという事実の方が、むしろ僕を驚かせた…………。
「……小ちゃん達には、なんて言いました…?」
「あぁ、ちょっと眩暈がして倒れたみたいだから病院に。って伝えたんだけど大丈夫?」
ここまで来ると先輩の完璧さに眩暈がする。
気が利くというより、僕が不安に思っていることを一つ一つ紐解いてくれているような。
「だ、大丈夫です……!ありがとうございます」
焦っていた心を落ち着けて、ゆっくり深呼吸をした。
▽
2人の到着の前に病院の先生が来て、「発作的なものだから、今日は帰って大丈夫」と言ってもらうことが出来た。
その後来た2人は、とても焦っていたようで。普通に帰る用意をする僕にギュッと抱き着いてきた。
まだ身体が痛いから正直やめて欲しいけれど……。
「律……大丈夫…か」
先に離してくれた小ちゃんは不安そうに問いかけてくるけれど。
「大丈夫だよ、本当にちょっと眩暈がしただけ。寝不足気味だったからかもね……えへへ、ごめん」
ニコニコしながら嘘をついた。
それでも小ちゃんの表情は固いままだった。
まだ僕に抱きついたままの秋ちゃんはずっと動かない。
「本当に本当に、大丈夫だから………………心配、かけてごめんね」
秋ちゃんの頭を撫でながら言ってみるけど、やっぱり動かない。
僕達はその後遼さんに迎えに来てもらって、家に帰った。
小ちゃんと秋ちゃんは部屋についても僕を離すことがなかった。
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