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部屋に入ると、すぐに秋ちゃんがギュッと抱き着いてくる。
まだ着替えたばかりだし、くっつくと暑い。
「秋ちゃん、どこにもいかないから……ちょっとだけ離して欲しいかな」
そう言うと、スッと顔を上げて不安そうにこちらを見つめた。
「本当に…………?」
いつもとは違う、か細い声に驚く。
「うん、本当に本当に」
宥めるように言うと、聞いてくれたのか渋々と体が離れていった。
何時頃部屋に戻る?と小ちゃんに聞けば、「今日は……律についてる」と言い始めて、これまた困惑。
「大丈夫だよ?」と言っても全然聞かなかった。
この双子は……。
▽
時計を見ると23:50を示している。
「そろそろ寝ようかな……」
勉強の手を止めて振り向くと、ベッドに小ちゃんと秋ちゃんの姿があった。
本当に一緒に寝るつもりだろうか……。今更帰れというのも、酷な気がする。今日くらいはいいか…………多分言っても離れてくれないから。
1人では広すぎるくらいのベッドだとしても、3人で眠れば当然狭くなるわけで。
しかも大きな2人が両端にいるものだから身動きもとれない。
眠れないなぁ……と思っている時。
「迷惑、かけた……ごめん」
左横から聞こえる声の方を見る。
小ちゃんは寝転がっていてもかっこいいんだなぁ。
「全然大丈夫だよ、こっちこそ……なんだかんだ本当にごめんね。いろいろ迷惑もかけちゃって、本当に」
少しだけ体を動かしてしっかり小ちゃんの方を向くと、少しだけ驚いた顔の小ちゃんとの距離が狭まった。
近いけれど話すのならばと思って寝返ったつもりが。
「……」
気まずい沈黙の後、スッと細い指が頬に伸びてきてくすぐったいと思った。
そして息を吸う間もなく感じたこの違和感。
唇に、……何かが当たる感覚。
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