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「合意の上でもダメなのかぁ」
男の言葉に小ちゃんの眉毛がピクッと上がる。
「何を言ってる」
胸ぐらを掴んだままグッと引き寄せる。
「お~怖い怖い」
男はといえばお遊びのようにニコニコ。前も思ったけれど、この男僕と同じ人種の人間かもしれないな、とか。
「少ちゃん…、大丈夫だから…」
少ちゃんに対して言うと、僕の方を少し睨んで「はぁ……」と大きめの溜息。ゆっくり男を解放した。
それから僕の方へと近づき、全身の力が抜けたみたいに僕の前に座り込んだ。
「……息が」
「……ん?」
「…心臓が、止まるかと思った」
視線をさげながら小さく呟いた。
その視線の先には僕の手があって。
少ちゃんは僕の手をゆっくり両手で握った。
「遅くなって、悪かった」
遅いことなんて何も無い。
頼んで来てもらったわけでもない。
それなのに、彼の口からそんな言葉が出てくるなんて想像もしていなかった。
「…………本当に、大丈夫だから」
何か返さなければと思っているのに返す言葉が見つからず、さっきと同じ言葉をなんとか放つ。
心配そうな顔。またそんなことを言わせて、そんな顔をさせてしまったのか僕は。
「ごめん……」
また、意味の無いごめんが口から零れ落ちた。
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