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ドアの方を見ると、和慎君が困惑したように僕を見る。
わかってる。
あの目は、僕のことを疑っている。もしくは軽蔑しているんだと思う。
階段で言った僕の言葉が浮かんで、きっと僕のことを疑っている。
それでいい。
それが事実なんだから。
「無理しないで、和慎君」
無表情でそんなことを言う。
彼は再度驚いたように僕を見て、外れない視線に目を泳がせた。
「無理なんてそんな……」
「ううん、本当に無理はしないで。僕のこと、気持ち悪いよね。それが当たり前の考えだと思う。だから全然慌てなくていいよ。…………堂々と僕のこと、軽蔑してもいい」
しっかり見て言えば、和慎君は悲しそうに顔を歪めた。
小ちゃんと秋ちゃんは僕の言葉に驚いたのか、それを聞いて和慎君に目を向けていた。
「俺は…………俺だって、お前のこと助けたいのに…」
その行動がお前のためなのかわからない、と。
階段の言葉を聞いて、きっとそう思ったんだろう。
「助けなくてもいい……自分でどうにかするよ、僕だって男の子だからね」
こんなに迷わせてしまった。
僕のせいで。
「ごめん……ごめんね、和慎君」
小さく呟いた。
こんなにさせてしまって。
僕が責任を取らなくちゃいけないんだと思う。
彼を、僕から遠ざけなければ。
突き放すべきだと。
「もう、僕に関わるべきじゃないよ」
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