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来訪者
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家に帰って、小ちゃんはすぐに自室に入ってしまった。
残された秋ちゃんも、課題をやると言って後を追っていた。
「……」
特に感じることはないけれど、なんとなくモヤモヤとした気持ちが離れない。
初めてのことに動揺する自分がいる。
こっちに越してきて、色々な事が一気に変わった。
焦りも不安も感じないと思っていたけれど、不安だけは一層大きくなって。実際の所、あまり慣れていない気持ちに戸惑う。
相談できる相手は紡くらい。
でも彼は本当に色んなものを抱え込んでいるから、僕から相談なんてしたら絶対に負担をかけてしまうだろう。
僕は自分で何とかするしかないんだと思う。
「はぁ……」
息が詰まる。
静かな部屋。
静かだからこそ考えることや不安が増していく。
話相手もいない。
誰か来てくれないものか……
そう思った時、ふと響くノックの音。
あまりのタイミングの良さに体が跳ねてしまった。
僕はドアに向かって、「どうぞ」と声を掛けた。
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