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篤紀君の言動について、僕に謝りたかったというのはわかった。でも……そのためだけにこんな夜中に…?
聞いてみようかなと思った矢先、
「今日来たのはそれだけじゃないんです」
「……篤紀君のこと以外、かな」
「律さんがここに来てから一段落はしているのに、ちゃんと話したことなかったと思って……その、もっと…………もっと兄弟らしくなりたくて…………」
ーもっと、兄弟らしく。
その言葉は僕にとって、少し残酷。
なれるものならばなりたい。
でもその願いは僕が持っていいものではない。
何故なら、部外者だから。
誰がなんと言おうと、そう。
この体に流れている血は、実際宮本のものではない。
「……うん、僕には兄弟っていたこと無かったから……未だに実感が湧いてないんだぁ…………ごめんね」
「ええっ、全然大丈夫です!俺がもっと積極的に話に行ったらよかった……って」
オドオドしながらもちゃんと言ってくれる。
可愛くて、純粋で、こんなにも丁寧で、人思いな……………………僕の知らない弟。
今までは、例え仮でも出来ると思っていなかった兄弟。
正直、不安だ。
僕のせいで、怪我をさせてしまったら…、
僕のせいで、危害を加えてしまったら…。
………………怖い。
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