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優しい人
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紡に初めて会った日のことを思い出しながらゆっくり歩く。
何度も危ないところを助けてもらって、変な意味じゃなくて……僕の体を知り尽くしている人。
誰よりも僕のことを知っている人。
優しくて、頼り甲斐があって、イケメンで、長身で……なんていい所だらけだけど。僕に見せてくる面倒くさそうで、愛想ってものがヘタで、仕事が人1倍大変っていう……そんな一面もある。
要は僕にとって紡っていうのは……
「改めて考えると、よくわかんないなぁ…」
登校してきて一時間。
あっという間に一時間目の授業が終わり、休み時間。
「何がー?」
「ん、あ、秋ちゃん」
「りっちゃんポケーってしてるね~」
昨日の今日で普通に接してくるものだから多少驚いて彼の方を見る。
「うん、まあね」
にっこり微笑んで驚きを悟られないようにすると、秋ちゃんもニコッと笑う。
小ちゃんはといえば、席で黙々と課題を解いていた。
やっぱり双子だけど行動パターンも、思考も少し違うんだなぁ。
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