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大変です。
大変ピンチです。
あの時、あの男の人を拒否してしまったせいなんだろうけれど。
僕への嫌がらせは激しさを増していたのです。
今は放課後。
2人と帰る前にトイレにきて、手を洗っていたんだけど。
突如として後ろから大量の水。
いい子ちゃんみたいに頭からかけるのではない、後ろから叩きつけるような。
痛いったら……。
「……」
「宮本律」
エスカレートした嫌がらせは、その日を境に直接的になってきていたのかもしれない。
「……何か」
営業スマイルで振り返ってみれば、そこには3人の生徒がいて。
悪びれもなく笑顔だった。
でも僕の顔を見て、少し驚いていたようだった。
「あの2人の親衛隊の方ですか、申し訳ないですが……」
「はぁ?親衛隊なんて入るわけねーだろうが。俺らはテメェのその面見に来たんだよ」
「……面、ですか」
どうやらこの人たちは小ちゃん達のことで僕にちょっかいをかけてきた訳では無いらしい。
僕の目の前にいる3人の中には、動画を撮っている人もいて。
「今日は面見に来るだけにしようと思ってたけどな、……予定変更だ」
なんとなくこの先が理解できるような……。
「いや、もう…帰らないと……」
自分にしては結構強い力で相手を押し退けたつもりだったんだけど、こんな弱々しい力は通用しなかったようで。
バンッッ!!
と強い勢いで床に背中を叩きつけられた。
後頭部も同時に打ち付けて、その弾みで一瞬呼吸が出来なくなる。
「できねえ抵抗してんじゃねーぞ」
冷たい目。
まるであの時みたいに。
体が、動かなくなった。
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